獣医療法施行規則第16条の2とは?


― 放射線診療従事者等に必要な教育訓練 ―

動物病院、動物園、水族館などでX線撮影を行う際、獣医師だけでなく、愛玩動物看護師や飼育員などが撮影や動物の保定に関わることがあります。

こうした放射線診療に関わる従事者の安全を確保するため、獣医療法施行規則第16条の2では、診療施設の管理者に対して、放射線診療従事者等への教育及び訓練を実施することを求めています。

いつ教育訓練が必要?

放射線診療従事者等に対する教育訓練は、

いつ教育訓練が必要?

① 初めて管理区域に立ち入る前
② その後は1年を超えない期間ごと

に実施する必要があります。

つまり、一度教育を受ければ終了するものではなく、継続的な教育が求められています。

※放射性同位元素等の規制に関する法律第22条に基づく教育・訓練を受けた者については、この規定の対象から除かれています。

何を教育する?

第16条の2では、次の4項目が定められています。

何を教育する?

1.放射線の人体に与える影響
放射線による人体への影響や、被ばくに関する基本的な知識。

2.放射線診療装置等の安全取扱い
X線装置などを安全に使用するための基本的な取扱方法。

3.放射線診療装置等による放射線障害の防止に関する法令
獣医療法施行規則をはじめ、放射線防護・安全管理に関係する法令。

4.放射線障害の予防に関する規程
各施設で定められている放射線安全管理に関する規程やルール。

単に「放射線は危険なので気をつけましょう」という教育ではなく、人体影響・装置・法令・施設固有のルールまで含めた教育が必要になります。

RI診療を行う施設では別途「研修」も

診療用放射性同位元素または陽電子断層撮影診療用放射性同位元素を備えた診療施設では、さらに別の規定があります。

対象となる放射線診療従事者等である獣医師には、

RI診療を行う施設では別途「研修」

① 初めて診療を行う前
② その後は3年を超えない期間ごと

に、所定の研修を受けさせる必要があります。

研修内容には、放射線の基本的な安全管理だけでなく、放射性同位元素や獣医療用放射性汚染物の取扱い、使用室の安全管理、線量・汚染測定などの実務が含まれます。

教育したら「記録」も必要

教育訓練を実施するだけで終わりではありません。

診療施設の管理者は帳簿を備え、記録する必要があります。

施設の放射線安全管理としては、「誰が・いつ・何を学んだのか」を記録として残すところまでが教育訓練と考えることが重要です。

教育したら「記録」も必要

  • 実施年月日または研修の受講年月日
  • 教育訓練を受けた者または研修を受けた者の氏名
  • 教育訓練または研修の内容

帳簿は1年ごとに閉鎖し、閉鎖後5年間保存

教育を「受けた」から「実践できる」へ

法令に基づく教育訓練を実施することは、放射線安全管理の重要な基盤です。

一方、実際のX線撮影では、動物の状態や撮影部位、施設環境などによって、従事者の立ち位置や保定方法、防護具の使用などが変化します。

そのため、法令で求められる知識を提供するだけでなく、実際の行動につなげることも重要です。

教育を「受けた」から「実践できる」へ

「自分の施設ではどこに立つべきか」
「どのように保定すれば被ばくを減らせるか」
「どの防護具を、どの場面で使用するか」

VetRad Labでは、e-learning、現場での線量評価、放射線防護教育、MRなどを活用し、法令遵守にとどまらず、獣医療現場で継続して実践できる放射線安全教育について研究・支援しています。

※本記事は獣医療における放射線安全管理に関する一般的な情報提供を目的としています。実際の施設管理にあたっては、最新の法令、関係通知等をご確認ください


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